書籍紹介

荘直温伝

忘却の町高梁と松山庄家の九百年
近刊
著者 松原 隆一郎 (著) 荘 芳枝 (著)
発行栗野 哲郎
発売吉備人出版
仕様 A5判 並製本
ページ数 369ページ
価格本体3,000円+税
ISBN978-4-86069-612-2  C0021
初版年月2020年4月
発売予定日2020年4月30日
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《彼ら「町の名士たち」は、金や権力を自分のために使うただの「金持ち」や「権力者」ではなく、自腹を切ってでも町に繁栄をもたらそうとする人々、すなわち地方自治の担い手を自認していました》(──第三章「村長・町長の時代」より)

大正期に高梁町長を勤め、伯備線誘致に尽力した名町長・荘直温(しょう・なおはる)の評伝。

明治維新と近代資本主義の激動に直面した町を支えた直温ら「地方自治の担い手」たちは、なぜそこまで町のために尽くすことができたのか。

そして今、彼らの事跡はなぜ忘れ去られてしまったのか。

荘直温という「個人の歩み」、庄(荘)一族という「人々の足跡」を縦軸に、源平合戦の時代から現代まで、放送大学教授(東京大学名誉教授)の社会経済学者が、徹底した現地踏査と史料精査を経て書き上げた備中900年の歴史。

目次

■目次
序─荘芳枝

■第一部
●第一章 庄松山分家との出会い
●第二章 系譜を特定するにあたり、参照すべき史料の資格について
●第三章 松山分家から見た庄家系図

■第二部
●第一章 武将の時代(鎌倉・室町)─『平家物語』から松山城主、蟄居まで
庄家のはじまりと『平家物語』
頼朝から草壁の庄を賜る
猿掛城に登る
鎌倉幕府の崩壊─資房の自害
細川京兆家と庄氏宗家
勢力を拡大する庄氏
元資をめぐる謎
備中守為資、松山城主となる
三村氏に松山城を奪われる
備中兵乱と麦飯山の合戦
天下統一と毛利氏の敗北

●第二章 庄屋の時代(江戸)─前半の躍進、後半の停滞
備中再編と「大名の大異動」
分家する庄家
代官・小堀二代の手腕
水谷三代と船舶流通管理
津々村で庄屋となる
元禄検地と百姓の嘆き
二十二代直勝の証言
今に残る呰部分家の庄屋家屋
帯刀を許される
士格を与えられた有漢分家
庄松山分家はどこにあったか
検地データから見る原西村
授受された手形や証文
江戸後期になぜ借金が横行したのか
山田方谷の藩政改革
幕末の松山藩

●第三章 村長・町長の時代(明治・大正)─荘直温の矜持と手腕
1・維新後の高梁が求められたこと
一揆への対応
明治初期の高梁町の様子
二度の敗北を経て継承されたもの
新時代の高梁を担う人々
荘直温の履歴
2・荘直温の修行時代(明治24年まで)
庄屋見習いから戸長、教師、公務員へ
家政改革規定書
公共部門への寄付と産業育成
3・荘直温の松山村長時代(明治25年~大正3年)
無給の町長
荘活版印刷所の創設
日本生命からの督促
関西一の桜の名所
五軒の荘と家紋問題
父親としての直温
自治の木鐸 村民の師父
4・荘直温の上房郡会議員・高梁町長時代(大正5年~昭和3年)
人々を鼓舞する人
伯備線誘致問題
 高まる陰陽連結の声
 鉄道はどこを通る?
 高梁経由vs成羽経由
 請願書と優劣比較表
 高梁通過が決定
 備中高梁駅開業の日
町長再選から辞任へ
直温の死
感動の弔辞

●第四章 忘却の町に生きる(昭和・平成)─庄松山分家のその後
直一・四郎の家督相続契約
未納総額の判明
貧困に喘ぐ
兄・直一が捨てたもの
弟・四郎が勝ちとったもの
鉄道敷設の効果①直温の想定
鉄道敷設の効果②現実
石川達三の予言
栄町大通商店街の興亡
鉄道と煙草と木材
「鉄道時代」から「自動車時代」へ
荘芳枝さんの人生

あとがき──忘却について

巻末注/関連年表/荘(庄)氏松山分家略系図/索引

著者プロフィール

松原 隆一郎

昭和31(1956)年神戸市出身、放送大学教授、東京大学名誉教授。
灘高校・東京大学工学部都市工学科卒、同大学院経済学研究科単位取得退学。
専攻は社会経済学・経済思想。

著書は『頼介伝』(苦楽堂)、『経済政策』(放送大学教育振興会)、『ケインズとハイエク』(講談社現代新書)、『経済思想入門』(ちくま学芸文庫)、堀部安嗣との共著『書庫を建てる』(新潮社)他、多数。

荘 芳枝

序文執筆

大正15(1926)年3月20日高梁町23番地生まれ。
高梁尋常小学校・高等科、岡山県立順正高等女学校卒業。

国民学校初等科訓導講習会を経て小学校教諭一級普通免許状取得(岡山県教育委員会)。
高梁国民学校以降、高梁南小・北小・中井小・津川小・福地小で37年間教諭を勤める。
その後、母・妹・姉の看病と趣味に生きる。

※上記内容は本書刊行時のものです。

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