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トゥイ・キォウの物語




著作名:トゥイ・キォウの物語(斷腸新聲・傳翹 Truyen Kieu)
原 作:阮攸、越英訳・脚注:Le Xuan Thuy
重 訳:佐藤清二・黒田佳子
発 行:佐藤清二
発 売:吉備人出版
仕 様:A5版、上製、252頁 
     ISBN4-86069-089-3 C0097
定 価:1,680円(本体1,600円)
発刊日:3月9日
備 考http://homepage3.nifty.com/daovaquat/で試読できます。

内容
 この物語は、グエン・ズー(阮攸。1765〜1820)が、中国の通俗小説『金雲翹伝』(清・青心才人編述)から翻案した3,254行の長編詩で、ベトナム文学の金字塔と言われています。「物語ヴェトナムの歴史」(小倉貞男著、中公新書)では、「一人のうら若い女性の波瀾万丈の悲しいストーリーに盛られた教訓は小学校から教科書に取り入れられ、ベトナム人はしばしばこの物語の文章を日常会話の中に交える」と紹介されています。

 共訳者である詩人の黒田佳子さんは、「多くの日本人が見失った自分たちの判断の拠り所を考えさせてくれる。登場人物たちの描写 は善人も悪人も生き生きとしていて、何度もの翻訳を経ても消えずに、なおも蘇ってくる力強い作品。一人の不運な女性の悲しみに読者も一緒に泣きたくなるような生々しく人間臭い面 も、人間の一生を無限の闇にポッカリ漂うカプセルのように感じさせる宇宙感も備えた物語」と巻末に書いています。

 翻訳に当たっては、外国人の方や高校生以上の学生諸君など日本語中級の読者にも読みやすいように、平易な表現の散文にするとともに、漢字にはルビを振りました。

 この出版事業は、日越文化交流の促進を意図したものです。ぜひご一読下さい。

※『トゥイ・キォウの物語』が、「地球の歩き方・D21・ベトナム・2008〜2009年版」(ダイヤモンド社)のP450「こんな本を読んでみよう」欄で紹介されています。
(2008年10月8日追記)



訳者紹介
佐藤 清二(さとうせいじ)
1959年山形県長井市生まれ。1983年北海道大学大学院工学研究科修士課程修了、運輸省入省。(財)国際臨海開発研究センター研究主幹時代の2002年前後、ベトナムに滞在。2003年より岡山県庁勤務。

黒田 佳子(くろだよしこ)
1945年京都市生まれ。詩人。横浜市在住。1968年立教大学文学部日本文学科卒業。詩誌『焔』同人。著書は『父・井上靖の一期一会』。現在、井上靖記念文化財団発行誌『伝書鳩』を編集。