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岡山の文化財 日本人がおき忘れてきた光輝けるもの




●著/臼井 洋輔
●四六判、383頁、並製本
●定価2,940円(本体価格2800円+税)
●ISBN4-86069-063-XC0070
●2004年5月11日初版第1刷発行

岡山の文化財を分かりやすく解説
 鎧や備前刀、備前焼などの工芸品、寺社の建築物、後楽園などの史跡など、国宝や国・県指定の文化財約80点を取り上げ、文化財総合研究センター所長(吉備国際大学教授)がそのモノの見方やそのモノを通 して見えてくるもの描く。岡山文化のエッセンスが見えてくる書。

目次
第一章 工芸
赤韋威鎧、紫紙威腹巻 、太刀無銘一文字(山鳥毛)附打刀栫
 ▽コラム 備前焼と備前刀の制圧のタイムラグの意味
吹屋ベンガラ、色々威甲冑と鍍金、琴裏の綾杉彫刻
 ▽コラム 桜花の視点
横野箔合紙、能装束 芦水禽文縫箔、太刀 吉房
 ▽コラム 桃山文化のもう一つの意味
備前緋襷大皿 、正阿弥勝義作菊花菓子器、純銀地鉄象眼葡萄虫花瓶、阿古陀形兜(兜鉢)、赤い青備前、綾杉地獅子牡丹葵紋蒔絵調度の内 貝桶と合わせ貝、色絵宝尽文大皿(色鍋島)、妙覚寺 世界図屏風、梵鐘

第二章 建築
鶴の住む草葺民家
 ▽コラム もの探しの人生
吉川八幡宮本殿、吉川八幡宮本殿 栩葺屋根軒付け、旧閑谷学校講堂、吉備津神社本殿および拝殿、本蓮寺本堂
 ▽コラム 絶対的信頼を得た牛窓の船
大橋家住宅、正楽寺山門 、中世建築から発見された一本の柱が教えるもの、京橋、古代の復元家屋、備中国分寺五重塔
 ▽コラム 鋸の和洋と文化
銅板葺屋根、バタン島と日本の大弦鋸 、ブータンと日本の文化
 ▽コラム 哀れな自転車
岡山県立津山高等学校本館(旧岡山県津山中学校)、穴門山神社本殿及び拝殿
 
第三章 史跡
岡山後楽園 、後楽園用水と旭川、後楽園の能舞台、後楽園陰陽石と割石雛形、後楽園の水と飛び石と粋、主基田 、東湖園
 ▽コラム 夜空の飛行機
石巻、田原用水水路橋(石の懸樋)
 ▽コラム 支石墓の謎
 ▽コラム 夜空の飛行機

第四章 人物
法然と宗教、雪舟、宇喜多秀家と豪姫、八木浄慶と蝋石仏、大月源画像、太田辰五郎、徳山敬猛と農耕図郷原漆器組杯、長崎芳行 茅葺、森田翠玉  木工芸(刳物)
 ▽コラム 日本で最初に注射を受けたのは岡山県人
林 文男(鶴山) 木工芸(刳物、小川一敏(一洋) 木工芸(指物、坂野定和 撫川うちわ、備前焼と太田巌

第五章 自然
醍醐桜
 ▽コラム 武士道とかれんな花
横川のムクノキ、黒岩の山桜、岩ザクラ、羅生門、エヒメアヤメ、圀勝寺の椿、鯉が窪湿生植物群落

第六章 その他
製塩土器、繋馬図絵馬、古代の形 特殊器台の透かし様の謎、岡山イ草製品の起源と消滅、舟形土製品 (月の輪古墳出土品)、蒜山のうなぎ酒、石枕、蛇行剣
 ▽コラム 古代の形と文様 渦巻文の謎
一遍上人聖絵 福岡の市の繁栄と岡山の女性 、 護法祭、 総社市指定重要文化財 大鉄釜(鬼の釜)、 桐箱の偉力と日本文化の保存技術
 ▽コラム  備前焼の流通
笠岡市指定無形民俗文化財 走り御輿
 ▽コラム 二十一世紀を知るために


著者プロフィル 臼井 洋輔(うすい ようすけ)
 昭和17年岡山県玉野市に生まれる。岡山大学法文学部卒業後、高等学校教諭、岡山県立博物館学芸員、岡山県教育庁文化課課長代理、岡山大学・福山大学非常勤講師、岡山県立博物館副館長。平成12年岡山大学大学院博士課程を終了し学位 取得(文学博士)。現在は吉備国際大学社会学部教授、文化財総合研究センター長。


前書きより
 人間は、いつの時代にも変わらない「不易」と、はやり廃れの「流行」の中で、バランス良く舵取りしながら生きていかなければならない。今この国の行く末に不安を持っていない人はいないと思う。混沌の時代である。  文化財のそうしたエッセンス性を通してみれば、見えないものの中により大切なものがあると確信できる。エッセンスの詰まったものは、大体時代の境目に現れるといって良い。原始古代から数度の時代の境目に常に人やモノを通 じて大きな影響力を及ぼしてきた吉備の国の文化財から、そして吉備の国から、見えないものに価値をおく波が起きても良いのではないかと思っている。